未来 から の ホット ライン。 【コミック】最終回「未来からのホットライン」(星野之宣/原作:J.P.ホーガン)(ビッグコミック2013年4月25日号)(2013年4月10日発売)

未来からのホットライン: いつまでも、どこまでも

未来 から の ホット ライン

「過去に限られた文字数のデータを送ることが出来る」というかなり地味な時間SF。 数年前に大ヒットしたゲーム「シュタインズ・ゲート」がかなりの設定を流用していた事からも一時話題になっていた本作。 話は … スコットランドの古城で暮らすノーベル物理学者チャールズ老が60秒過去へ6文字だけ送る事のできる装置を開発する。 孫のマードック達を呼んで実験を繰り返すうちにパラドックスを起こす実験を行う事になるのだが不可解な結果に。 矛盾を残す結果に納得の行かない彼らは新たなメンバーを加えて試行錯誤を繰り返すうちにある宇宙モデルに辿り着く。 その頃世界ではある重大な危機が迫りつつあり、その事件を回避する為にこの装置を使用するのだが・・・・。 前半はこの世界がどの様な世界なのかを次々と仮説を立てながら検証していき最適な宇宙モデルを組み立てて行く非常に知的好奇心を刺激する展開に。 シュタゲは並行宇宙でしたがこちらはある宇宙モデルの変型版を採用しています。 そして後半は装置を使っての世界改変へと突入するのですが、様々な危機と主人公の恋の行方が複雑に絡んで結構切ない話に仕上がっております。 ハードSF作家たる者、一度は時間ものに挑戦しなきゃいかんでしょうと言う事で書かれた本書、成る程ホーガンはこう来たかと納得の時間SFです。 続きを読む 言葉だけ、それも一度に6文字だけを過去に送ることのできる機械を作り上げたチャールズ。 そこへ数学者や物理学者を集め、どのように活用、改良するかを議論する。 そんな中、世界中で謎の現象と謎の病気が流行り始め … 、直ちに原因は判明するが、過去にある原因を止めることができるのか? 全部読み切ると、よく考えてあるなあという小説だが、いかんせん途中がダレる気配があり、天候も影響して正直なところ眠いのを我慢して読んだところがある。 過去へ送れるものは、文字だけ。 それも一度に6文字だけ。 でも連続して送ることで、過去における未来に起こる事故を回避することができる。 分岐型の未来像ではなく、ホーガンは違う"時間線"に乗り換えるという言い方をしているが、早う話がタイムパラドックスをどう議論するのかという点がかなり長々と、図まで加えて書かれており、そのへんはハード。 別の意味でハードなのが、メッセージを過去に送った時点で、過去の話にポンと飛ぶ。 難病が発症して全く動かなくなった人が、次のシーンはその前に戻って会話していたりする。 同じセリフなどでうまくつないでいるものの、若干ついていくのが厳しいと感じるところだ。 また、そこで違う時間線の話が始まるわけで、そのパラドックスを十分には楽しめなかった。 はっきりしてしまえばホーガンらしいストーリー展開で、安心して読み進められる。 ただ、地球規模の危機が立て続けに起こりすぎであり、起こる事件は1つだけで、それを解決でも良かったんじゃないかと思う。 ところで、「タウ波」については少々力技という部分はあれど、プログラムにしろブラックホールにしろ謎の病気にしろ、ちゃんと取材して調べて書かれており、ここんとこ読んだ日本の微妙なSF作品とは、月とスッポンほどの違いがある。 その辺加味して、ちょっとSF玄人向けかな。 続きを読む.

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未来 から の ホット ライン

内容紹介と感想 宇宙の謎 『未来からのホットライン』(原題:Thrice Upon a Time)は、の作者ホーガンが描いた時間SFです。 登場するタイムマシンは、H・G・ウェルズの作品などに見られるような、個人の体ごと移動するタイプのものではありません。 送ることのできるのは短いメッセージだけ。 物語の序盤、「時間間通信機」についての事前情報を持たないマードックが、でたらめな文字列を入力する。 その文字列を示す紙は、すでに60秒前にチャールズが手にしている。 ここまではすんなり理解できます。 しかしこの後が問題。 60秒後の未来から新たにメッセージが届いたのを見たマードックは、メッセージを入力しないという選択をします。 その結果はといえば、特に何も起きない。 これが意味することとは? いくつかの可能性を検討していくマードックたち。 直列宇宙か、並行宇宙か。 宇宙の在り方について鋭く切り込んでいきます。 本作の斬新さは、このような形で時間と宇宙の謎を描写しているところにあります。 猫と彼女と この本のページをめくり、登場人物一覧で「マックスウェル チャールズの飼い猫」という文言が目に入った瞬間、「これは良書だ!」と私は勝手に決めました。 マードックは、仔猫のマックスウェルのいたずらがきっかけで医師のアンと出会います。 くしくも彼女も核融合プラントのスタッフ。 マードックは、マシンの研究を続ける一方で、アンと親しくなっていきます。 マシンの利用に関しては仲間内でルールを決めていたのですが、アンとの良好な関係を壊したくないマードックは思わず……。 世界の危機 物語の後半、世界を救う唯一の解を見出したマードックは苦渋の決断を下します。 このころにはマシンは改良されており、送信できる文字数もさかのぼることのできる時間もずいぶん長くなっていました。 マシンを使った危機の回避方法とは? マードックとアン、2人の恋の行方は? 最後の最後まで時間間通信の特性を存分に活かした物語が展開されます。 追記:Thrice Upon a Time なお、原題の「Thrice Upon a Time」は、おとぎ話を語るときの定型表現「once upon a time」(日本でいう「昔々…」)をもじって付けられたものと思われます。 また、onceには「かつて、昔」という意味だけでなく、「一度、一回」といった意味もありますね。 once(一度)ではなく、thrice(三度)。 ちょっとネタバレになりますが、作中では大きく分けて都合3回物語が繰り返されるので、それを踏まえているのでしょう。 時間SFらしいタイトルです。 ロバート・A・ハインライン『夏への扉』 あらすじ ロボット開発者のダンは、婚約者とビジネスパートナーに裏切られ、強制的に冷凍睡眠につかされることになった。 次に目が覚めてみると、そこは30年後の世界。 発明品は奪われた。 愛猫ピートや、ビジネスパートナーの娘のその後も心配だ。 状況は悪い。 それでも「夏への扉」はきっと見つかるはず……。 内容紹介と感想 猫が出てきて恋愛要素もある時間SFというと、この作品を思い浮かべる方が多いことでしょう。 しかし、この作品には(個人的に)重大な欠点があります。 それは、思いのほか猫の出番が少ないということ。 思い込みで期待していただけといえばそうなんですが。 あの表紙を見たら期待しちゃいますよね……。 また恋愛面では、ヒロインのかわいらしさより、元婚約者の性格の醜悪さの方が強烈なインパクトがありました。 それだけに、ダンがポジティブなところは好印象。 客観的に見て主人公がかなり悲惨な状況に置かれているにもかかわらず、暗いムードがないのが本作のよいところであると思います。 この主人公は職人肌というか、技術者としての興味関心が先に立つタイプで、未来でも積極的に行動していくのです。 途中出会った、親切で明るい夫妻も好感が持てました。 結局は裏切られることになったとしても、人を信じないことには何も始まらないじゃないか、という主人公の考え方は、とても好きです。 ラストもハッピーエンド。 それにしても、ヒロインも頭を痛めていましたが、タイムトラベルの話は「鶏が先か、卵が先か」といった感じで悩ましいですね。 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』 あらすじ おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた。 マークは丘の上で若い女性を見かける。 白いドレスを身にまとい、たんぽぽ色の髪をした彼女の名はジュリー。 父親の発明したタイムマシンで23世紀からやってきたのだという。 マークは彼女のことを想像力豊かな女性だとばかり思っていたのだが……。

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【コミック】最終回「未来からのホットライン」(星野之宣/原作:J.P.ホーガン)(ビッグコミック2013年4月25日号)(2013年4月10日発売)

未来 から の ホット ライン

星野之宣の2013年の作品。 原作はJ. ホーガンですが、私はまだ読んで無いので比較は出来ません。 コミックだけの感想です。 ホーガンのタイムマイン物には「プロメテウス・オペレーション」とかもありますが、全く印象が異なります。 まず感じたのは、これはハードSFの皮をかぶったラブストーリではないかと。 ヒロインのアンの未来が変わるのをしっていながらの台詞「忘れないで」「忘れないわ」がじーんと来ます。 また同じように出会えるかどうか分からない。 でも地球を救うには・・・といったとこでしょうか。 また読んでいて思い出したのが、CERNの素粒子円形加速器 LHC が稼動したときに、自殺をしたインドの少女のこと。 彼女は原作読んでいたのかと思ってしまいました。 ビッグバンの瞬間を再現させる実験でブラックホールが出来るかもという話でしたが、バゴファントのことを知っていたのかと。 マイクロブラックホールが徐々に大きくなって被害が大きくなっていく様は、さすが星野先生という感じです。 二度目に読んで感じたのは、これ「ドラえもん」じゃねえ?ということ。 ドラえもんは未来から過去に来て、のび太の未来を変えるのが目的でした。 のび太の結婚相手が変わったらセワシは生まれないんじゃないのという、のび太らしからぬ質問にセワシは、経路が変わるだけで到着するところは同じ、ちゃんと生まれると説明しています。 この説明はチャールズ・ロス博士の説明にも合うのではないか? 「無事だったカップも壊れたカップも、それを構成する基本粒子は完全に同一だったとね」 セワシも、流れが変わっても粒子レベルで考えれば同一なのだと。 さすがです。 最後、ネコ好きにもお勧めの作品です。 チャールズ・ロス博士の飼っている「シュレーディンガー」君が活躍します。 1度目は気づかなかったのですが、マードック達が町に行く際にちゃんと車に乗っている描画がありました。 自分はそこが一番可愛いのではないかと思っています。 でもシュレーディンガーでは生きているか死んでいるか分からないのではないかと思ったりして(^^) 結論としては、SFが苦手な方にもお勧めの作品です。

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